電車の定期券など、当日または指定日から何ヵ月かの契約というのは一般的によく見られます。Web上でも同様で、一定額を支払うことで一定期間(たとえば1ヶ月315円など)、何らかの情報が得られるようなサービスは珍しくありません。
ところで、こうした場合のNヶ月間の定義が民法で規定されているのをご存じでしょうか。民法第143条を下記に引用します。
(暦による期間の計算)
第百四十三条 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。
民法(法令データ提供システム)より
わかりにくいかもしれませんが、この文章ではN週間契約・Nカ月契約・Nカ年契約について規定しています。1ヶ月契約について言えば、期間の終了日は「(1)起算日の1ヶ月後の同日の前日まで」「(2)1ヶ月後に応当する日がない場合は、翌月の末日まで」となります。たとえば2011年1月31日から1ヶ月の場合、2月31日は無いので2011年2月28日までとなります。
この民法の規定は、契約に「契約期間は1ヶ月とする」などとあるものの、その1ヶ月の定義が明記されていなかった場合に適用されるものだというのが僕の理解です。
実際、JR東日本の約款*1である「旅客営業規則」を眺めてみましたが、1ヶ月の定義については書いていないようです。こうした場合、定期券の「1ヶ月」は民法の規定に従うことになるわけです。
契約というのは双方が納得していれば成立しますので、契約に明記してあればこれ以外のNヶ月の定義もあり得ます。月額課金サービスの中には、「入会月から退会月までの月数分の費用を請求する、日割り計算は行わない」などと定めているものもありますが、この場合は民法の規定は無関係ということになります。
僕は法律に詳しいわけではないので、もし嘘をついていたら是非教えてください!
*1:主に不特定多数と契約を結ぶ場合に、あらかじめ決まっている契約条項のこと。法人対法人の契約ではお互い納得がいくまで議論・修正することがあるが、約款には通常修正の余地がない。